株式会社 CADネットワークサービス

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まなVRクラウド開発秘話!
コロナ禍のリモート研修はVRでリアルに変わる

コロナ禍で企業の研修や販売やプロモーションを対面で行うことが難しくなりました。リモートだと動画が流れているだけになりがちで、なかなかリアル感が薄いのが悩みです。しかし、まるで現実かのように体験できるVRであれば、リモートでも没入感高い研修や購買体験が可能。株式会社CADネットワークサービスが開発した「まなVRクラウド」は、リモートでの新しい体験を実現します。今回は4名の担当者に開発秘話を伺いました。

インタビュー社員プロフィール

【多ヶ谷 和義(たがや がずよし)】

執行役員 技術本部本部長。まなVRクラウドの開発におけるトップとして携わる。

【堅木 暁(かたぎ あきら)】

技術本部デジタルコンテンツ部次長。まなVRクラウドの現場開発責任者。前職のゲーム会社では20年間開発者として携わり、まなVRクラウド開発でもその経験を生かす。

【亀田 成朗(かめだ なりあき)】

営業マーケティング本部課長。まなVRクラウドの名付け親。まなVRクラウドの営業を主に担当する。

——リモートニーズの高まりが「まなVRクラウド」開発を後押しした

-まなVRクラウド誕生までの流れを教えてください

多ヶ谷:もともと当社はVRやCG、アニメーションなどのコンテンツ制作をメイン事業としていました。まなVRクラウド開発のそもそものきっかけになったのが、先端技術の展示会にVRのコンテンツを展示して、来場者にヘッドマウントディスプレイを体験してもらったことです。これが2015年くらいの出来事でした。

亀田:展示会の我々のブースにたまたまNTT西日本の方が立ち寄ってくださって、雑談レベルから意気投合しました。当時NTT西日本では産業やエンタメ分野でのVR活用に取り組み始めており、何か一緒にやりましょうと。

多ヶ谷:そんな中、VRを産業分野に活用しようという流れが生まれてきた。もともと当社では建設業のお客様に向けて事業を行っており、建設業のお客様向けの安全教育にVRが活用できるんじゃないかというアイデアが出てきました。

亀田:完成したVR教育ツールを展示会で発表するにあたり「まなVR」という名前をつけたのが私です。それが2018年の出来事で、当社の事業のターニングポイントになったと思います。これまではお客様から求められるソフトの開発が主体でしたが、私たちが考えるコンセプトのシステム製品を提供する形にシフトし始めました。

堅木:まなVRの開発当初は、お客様に1箇所に集まってもらい集団でVRを体験してもらうことを想定していました。ただ、コロナ禍でリモートのニーズが高まったこともあり、それぞれ離れた場所で各自違うデバイスで利用する作りに進化したのがここ1〜2年です。製品名もまなVRから「まなVRクラウド」に変わりました。

——手軽にリアルな危険学習を行えるVRプラットフォーム

-まなVRクラウドはどんな製品ですか

亀田:VRを使って没入感の高いリアルな学習をしてもらうためのVRプラットフォームです。例えば建設現場で想定される事故やアクシデントをVRを通して体験してもらうことで、これまでは不可能だったリアルな危険学習が可能になります。

「VRの技術を使い仮想空間で危険を体験させることで、頭に擦り込ませて二度とそれを起こさない」このバリューが一つのフォーマットとして市場認知され始めたのがここ2、3年です。当社は最初VRの教育コンテンツをクライアントごとに作って納品するというサービスを展開していましたが、これだと費用が数百万円単位でかかるためなかなか浸透しないという課題がありました。

手軽に使えるプラットフォームがあることがVR教育普及には必要なのではないか、というところから、まなVRの開発が始まりました。

多ヶ谷:まなVRクラウドはVRを使うインフラになるような製品として開発をしました。立ち上げれば誰でも簡単にVRに触れることができる。実際に使ってもらうことで効果を実感できると思うので、まずはデモで良さを体験してもらいたいなと考えています。

まなVRを開発するにあたり「そもそも学びって何かな」と考えました。インプットだけだと学習は成立せず、アウトプットすることで一定の効果を生む。インプットとアウトプットを繰り返すこと、「学ぶサイクル」によって学習効果が高くなります。どうしたら学ぶサイクルができるんだろうと考えて生まれた機能が、テスト機能や自習モードです。

利用を想定しているのは交通安全講習や建設現場や製造業での危険学習、さらに介護事業者や農業や漁業、美容やファッションなどにもニーズがあると思います。実際にその場にいるかのように体験できるので、これまでITに縁がなかった業種がむしろ顧客ターゲットになるはずです。

——世の中に参考となる製品がないため開発は手探りでした

-開発にあたって工夫した点を教えてください

堅木:操作が分からなくて研修が進まないということがないように、クライアント側では複雑な操作は基本的にさせないような作りにするように心がけました。

動画を流すだけのリモート研修はよくありますが、これだと学習の効果が薄い。自分が選択を行うことで発生するイベントが変わればより研修に関わっている実感が湧くはずです。VRコンテンツなら単純に動画を眺めるだけではないインタラクションを設けて没入感を高めることができます。

とは言ったものの、技術的な面でのハードルは高かったですね。まず世の中に参考となるプロダクトがない。以前にローカルの集合研修で使うVRシステムを作ったことはありましたが、クラウドにするにあたってどう再現するかは大きな課題でした。

今でも課題であり続けているのがネットワークの部分ですね。やはりVRは非常にデータの負荷が大きいので、安定して高品質な通信を行うためにはインフラ面も重要です。まずは配信用にNTTテクノクロスのパノラマ超エンジンを採用しました。こちらによって比較的少ない通信量で高品質なVR動画を再生できます。

研修の管理ルームはAWSで開発し、接続を管理するためのサーバーはフォトン。フォトンはオンラインゲームで採用されるサーバーなのでVR動画のような大規模の通信にもちょうどいいです。

また、最近は導入企業が増えていますが、PIKO G2 4Kを推奨のヘッドマウントディスプレイとして採用。まなVRクラウドの開発環境はUnityなので、ヘッドマウントディスプレイ以外にもスマホやタブレットなどの幅広いプラットフォームでVR動画を再生可能です。

——2月に凍った雪道でスーツケースを転がすのはこんなしんどいんだと知りました(笑)

-世の中にないVR製品ということで、お客様に理解してもらうためにも苦労は多かったのでは

亀田:まなVRクラウドの前にまなVRがあったのですが、その時代のお客様向けのデモは苦労が多かったですね。たったの2、3年前ですが、今と違ってVRの機材を実際に持ってデモしに行く必要がありました。スーツケースに高解像度の非常に重たいパソコンとヘッドマウントディスプレイを入れて運んでいく。一番キツかったのは2月の秋田の案件。「2月に凍った雪道でスーツケースを転がすのはこんなしんどいんだ」と知りました(笑)

堅木:大阪のお客様のところでデモを行う直前に、現地のネットワークに問題があることが発覚して、慌てて12台のルーターを調整したことがありましたね。デモの前日の夜にようやく大阪のホテルに届いて、私と亀田の二人で夜中に設定したのも今となってはいい思い出です。

多ヶ谷:デバイスや機材に依存していた当時ならではの苦労がありましたよね。自分でいうと大阪にデモをしに行った時に、パソコンの電源ケーブルを忘れていたのに気づき、大阪日本橋の電気街を駆けずり回ったことがあった。ケーブルの接続口の形状が特殊でなかなか見つからず、あれは冷や汗ものでした。現場に行ってリアルに実物を見せないといけない時代のエピソードです。今はリモートで全部済むようになりましたから、我々もお客様も楽になったのは間違いない。

——まなVRならアフターコロナでも購買体験が買える

-今後まなVRクラウドはどのように発展していきますか

堅木:ネットワークの設定に関しては奥が深くて、難しさを痛感しています。やはりVR動画は通信容量が多いので問題が起こりやすい。すごくいろんな要素が絡み合っているので、かなりよく知った人じゃないと、なかなか問題の切り分けができません。だから、まさに今その分野での経験を積んでいるところです。

やはり安定して通信を持続できることがVR研修には欠かせませんので、そこを満たせればもっとお客様も導入しやすくなると思います。技術的な蓄積を重ねて製品をよりよくしていきたいですね。

亀田:私はもともと賃貸不動産の法人営業を行っていたので、不動産業界での活用は興味がある分野ですし普及を進めていきたいと考えています。建設現場の職人に対する危険学習ツールとしてまなVRクラウドを活用してもらいたいなと思いますし、家をCGで作ることも行われているのでプレゼンテーションの切り口からも上手く絡めていきたいですね。

多ヶ谷:これまで我々が得意としていた建設業界以外にも接点を生んでくれるのがまなVRクラウドだと思います。これまではBtoBのビジネスでしたが、個人事業主や小売店さらには政府や自治体のように対象となるお客さん自体も広げていける。自分たちができることも増えていくでしょう。今までにない挑戦をするワクワク感を感じています。

まなVRクラウドを作る上で、今の技術で実現できるからやるという話にはしたくない。実現すればお客さんが喜ぶかどうか、そういう観点で今後も技術基盤を高めていくことが大切だと思います。

また、今回まなVRクラウドをリリースするにあたり、NTT西日本と関係構築をしてきたことで可能性が広がりました。自社だけでは難しい販路の開拓も可能ですし、技術的にも協力してもらった部分が大きいです。

社会への価値提供という面で言えば、まなVRクラウドで危険学習を行うことで災害を著しく減らすことができるはずです。また小売や営業の現場でまなVRクラウドを活用してもらうことで、リモートでの販売がしやすくなるのは間違いありません。「まなVRならアフターコロナでも購買体験が買える」そんな風に普及すれば嬉しいですね。

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私たちの特長

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企業理念・沿革

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